究極のソウルアルバム。幻の名盤など様々な言葉で賛辞し
尽くされている話題の名盤である。随分と長い間コレクターアイテ
ムとして君臨し続けて原盤LPには破格な値段が付けられていた
というまさにサザンソウルファンの憧れのアルバムであった。
 ジョニー・ロビンソンというシンガーは教会でゴスペルを歌い育ち
陸軍に入隊して除隊した65年頃に歌い出すという多くのソウルシ
ンガーの典型的なパターンを踏みニューヨークを拠点にクラブな
どをプロの歌手として回るようになる。そしてあのアポロシアター
に出演するまでに至る。この時期に
「It'S All Over/The Champ」
(Strike 1005/1006)
というシングルを発売。
そして
68年にはOkehと契約し「Poor Man/When A Man Cries」
(Okeh 7317)
などのシングルを発表する。
この
Okeh盤が彼の作品の中ではずば抜けて良く最高の時代と絶
賛する熱心なコレクターの方が多いので何かの機会に聞いてみた
いものである。
 そして
69年になりコロンビア/エピック傘下のOkehは活動停止
、ジョニー・ロビンソンはそのまま
エピックに移籍する事になった。
そこで当時、サザンソウルの中心レーベルになりつつあった
Hiのバック
バンドである
ハイリズムを起用して製作されたのがこのアルバムであ
る。そのアルバムのタイトルはずばり
「MEMPHIS HIGH」である。
 プロフィール的な事はそのぐらいにしておくとして肝心のアルバムの
内容であるが「MEMPHIS HIGH」というアルバムタイトルに決して恥じる
事のない胸躍る感動的なソウルアルバムである。
「Funky Broadway」を思わせる1曲目の「Funky Feet」が抜群に格好い
ティニー・ホッジスのギターが荒削りでブルージーで体に響く。
アル・グリーンやアン・ピーブルスなどでいわゆるハイサウンドのスタイ
ルは確立されるのですが、それ以前のまだ発展途上のハイリズムの音
が実に熱気を帯びていて何ともいえない格好良さなのだ。
シンガーとしてのジョニー・ロビンソンは今ひとつシンガーとして線の細
部分が気になるのですが、「FOR YOUR LOVE」、アル・グリーンの
「God Blessed Our Love」のテーマを先取りしていると言える「God Is Lo
ve」
などのスローナンバーでの深い味わいは格別なものがある。

「LADY DOCTOR」などのブルージーな曲も捨て難い・・。
 ジョニー・ロビンソンはアポロシアターに出演してメジャーのエピックでアル
バムをハイリズムと製作するなど活躍したが様々な条件があわずメジャー
なシンガーになる事なく消えていってしまった。
 サザンソウルが熱かった時代から4半世紀近く月日は流れていったが私の
ような若い世代のソウルファンがこうゆうシンガーやアルバムを掘り起こし
再評価するべきである。そんな思いにさせてくれる名盤である。
 私は原盤LPは入手できず90年代に突如CD化されて再発されたものを
購入して聞きました。待ちに待った名盤であったせいか多くのソウルファン
このCDを入手しましたが私はその評価に驚きました。
言うほどの名盤ではない。つまらない内容。がっかりした・・。
また中古品などで見つかることが非常に多いのには驚き!
そんな評価が余りにも多いのです。人の好みはそれぞれですがこのアル
ムが駄作だなんてその人の感覚を疑います。
今一度、周りの意見や先入観を捨て去りじっくり聞き直してもらう事を願
います。



JOHNNY ROBINSON
   MEMPHIS HIGH(70)


1.FUNKEY FEET

2.WE ARE GONNA
       
MAKE IT

3.FOR YOUR LOVE

4.KANSAS CITY

5.GOD IS LOVE

6.SLIP AWAY

7.NOTHING CAN TOUCH
           THIS LOVE

8.LADY DOCTOR

9.PERSON TO PERSON

10.RECONSIDER ME

11.DON'T TAKE IT SO HARD